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コアガラスの器ー佐藤透

特集!コアガラスの道具・第7回 手



私の手はとても勤勉です。右手と左手はほぼ完全に分業しています。左手は縁の下の力持ちのように仕事を支えています。
芯のついた棒は意外に重く、これを作業に合わせて回し続けるのはけっこう大変です。これは左手の仕事です。
この作業の負担は手だけでなく、手首、肘、肩にもかかります。大きめの作品や手のこんだものを作り終えた後はアイシングして痛みを和らげています。私の作品は肉厚が薄くて、こった装飾が特徴ですが、薄手で思いどおりの装飾をするには、台に置いて作るよりフリーハンドの方が優っていると信じてやっています。
右手はガラス棒やピンセットの先でガラスの軟らかさの変化を感じながら細かい作業をしています。それができるのも左手がぐらつかずに適当な位置を確保し続けているからです。

私の手はひらは大きく指が短い手です。両国駅には関取の手形が飾られていますが、比べてみたら手のひらだけは同じくらいありました。自身すこし驚きました。
指は短くても作るときに不自由はありません。けれども磨きをしているとき、グラスの縁とかが指の叉にあたって血をにじませては、もう少し長かったらなあと嘆いています。

美術館で器を観るとき、横にまわったり、下の方から、また伸び上がってのぞきこんで形をとらえようとしています。ギャラリーでは器を手に取らせて下さったとき、見ていただけではわからなかった手の中での納まりや感触に感動が湧きあがることがあります。
見て、触れて楽しむ、それが工芸の魅力です。
どうぞ展覧会に足を運んで、そんな体験をしてください。もちろん「なあんだ」ということもありますが、当たりはずれも楽しみのうちです。

道具のシリーズは今回で最終回です。
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■ プロフィール

佐藤 透

Author:佐藤 透
コアガラス作家

■ 年間スケジュール

2018年
7月21日〜9月3日
北澤美術館(諏訪)
10月後半
ギャラリー田中(銀座)

■ 展覧会

次回は10月26日から銀座のギャラリー田中です。

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